捻挫は頻繁に起きるケガのひとつです。特に子供は活発に動き回りますから、グキッと足首などを捻挫してしまうことも…。でも子供は何もわからないですから、きっちり大人が対処してあげましょう。
ここでは子供が足首などを捻挫したときの対処方法をお伝えします。子供が足首などを捻挫してしまったときにはぜひ参考にしてくださいね。
目次
そもそも捻挫とは?
子供が足首などを捻挫したときの対処方法を考えていく前に、まずは捻挫がどのようなケガなのかを理解しておきましょう。
そもそも捻挫とは、骨と骨を繋いでいる関節部分(靭帯・腱・軟骨など)に、運動許容範囲を超えた負荷がかかることで起きるケガです。関節のある部位ならどこでも起きる可能性がありますが、実際には足首や手首などで発生しやすいケガです。
捻挫は少なからず内出血や炎症を引き起こします。そのため、捻挫をすると関節周辺に痛みや腫れが発生するのです。
また、捻挫にもさまざまな損傷レベルがあります。一時的に靭帯が伸びているだけの軽傷のケースが多いのですが、部分的に靭帯が切れているような重傷のケースも少なくありません。また、単なる捻挫だと思っていたら、靱帯断裂・脱臼・骨折を伴っていることもあります。
子供が捻挫したときの正しい応急処置は?
捻挫は迅速に応急処置をすることが大切です。最初に適切な応急処置ができれば、捻挫の早期回復につながります。
もし子供が足首など捻挫してしまったら「RICE処置(ライスしょち)」を思い出してください。RICE処置とは応急処置の基本で、下記の4つの原則の頭文字をとったものです。
①Rest(安静にする)
②Ice(冷却する)
③Compression(圧迫・固定する)
④Elevation(挙上する)
Rest(安静にする)
もし子供が捻挫をしてしたら、きっとかなり痛がることでしょう。まずは何とか気持ちを落ち着かせてあげてください。そして、患部をできるだけ動かさないように教えます。患部を無闇に動かし続けると、内出血や炎症が悪化してしまうからです。
Ice(冷却する)
捻挫の応急処置で最も重要なのが冷却(アイシング)です。すぐに患部を冷却することで、内出血や炎症を最小限に抑えることができます。もし子供が足首などを捻挫してしまったら、できるだけ迅速に患部を冷却してあげましょう。
具体的にはキンキンに冷えた氷水の入ったバケツを用意します。そして、そこに約15~20分ほど患部を入れてあげます。また、氷をたっぷりと入れたビニール袋(2重・3重にするとよい)などで患部を冷やしてあげるのでもOKです。ただ凍傷には十分に注意してください。
すぐに氷を用意できない場合には、流しっぱなしにした水道水に患部をつけることでも、一定の冷却効果を得ることができます。
Compression(圧迫・固定する)
できれば捻挫をした関節周辺を包帯やテーピングで適度に圧迫してあげると、患部への血流が止まるため、内出血や炎症を抑える効果を得られます。また、患部の関節を固定することで、余計に靭帯などを傷つける心配がなくなります。
ただ包帯やテーピングをあまりきつくしすぎないようにしましょう。健康な細胞まで壊死してしまうことがあります。また、子供が痛がる場合、応急処置の段階で患部を無理に圧迫・固定する必要はありません。
Elevation(挙上する)
患部が心臓より低い位置にあると、患部に血液がどんどん流れるため、捻挫の内出血や炎症が助長されます。そのため、もし子供が捻挫をしてしまったら、患部を心臓より高い位置に保てるようにしてあげましょう。たとえば、足首の捻挫であれば手ごろなイスやクッション・枕などに足をのせてあげるとよいです。
子供が捻挫をしたら病院に連れていくべきなのか?
もし子供が足首など捻挫をしてしまったら、自己判断せずに病院に連れていくほうがよいでしょう。というのも、どのくらい捻挫で関節組織を損傷したのかは、なかなか見た目だけで判断できないからです。
前述した通り一時的に靭帯が伸びているだけの軽傷の捻挫がほとんどですが、部分的に靭帯が切れているような重傷の捻挫ということも少なくありません。また、単なる捻挫だと思っていたら、靱帯断裂・脱臼・骨折を伴っていることもあります。
特に子供が下記のような状態のときには必ず病院を連れていきましょう。「特に問題はなかった」と確認するだけでも、病院を受診させる価値はあります。
- 捻挫をした関節周辺がパンパンに張れている(通常時の1.5倍以上が目安)
- 捻挫をした関節が明らかに変形している
- 捻挫をした関節を動かそうとすると非常に痛そうである
- 捻挫をした関節を自力で動かせない
- 捻挫をした関節がいつまでも痛そうにしている
なお、子供の捻挫でも病院の整形外科に連れていきましょう。整形外科は骨・関節・靭帯・腱・神経・筋肉などの運動器を専門としていますから、適切な診察をしてくれるでしょう。
逆に子捻の捻挫の診察で整骨院や接骨院には連れていくべきではありません。というのも、捻挫の症状を正確に診断するために必要なレントゲン撮影は、整骨院や接骨院ではできないからです。もちろん、子供の捻挫の治療やリハビリの段階で信頼できる整骨院や接骨院に連れていくのはよいでしょう。
また、小児科ではレントゲン機器を置いていないことがあります。おそらく近所の整形外科を紹介してくれるはずですが、それだと二度手間になってしまうでしょう。最初から整形外科に連れていったほうがよいかもしれません。
子供が捻挫をしたときはどのように生活させればよいか?
では子供が足首などを捻挫したときは、どのように生活をさせればよいのでしょうか?
捻挫の治療ではとにかく患部を固定することが大切です。患部の関節を固定することで、靭帯・腱・軟骨などの修復がスムーズに進みやすくなるからです。
逆に患部の関節を無闇に動かしてしまうと、靭帯・腱・軟骨などがなかなか修復しません。捻挫の内出血や炎症などの症状が悪化してしまうこともあります。結果的に捻挫の完治が遅れてしまうでしょう…。
したがって、子供が足首などを捻挫したときには、できるだけ安静させてください。もちろん、子供が捻挫をしているときにはスポーツなどをさせていはいけません。子供は屋外で元気に遊びたがると思いますが、できるだけ室内で患部の関節を動かさずにできる遊びをさせましょう。
幼稚園・保育園や学校にも子供が捻挫をしたことをしっかりと伝えます。そして、無闇に子供が動き回らないようにしっかりと観てもらいましょう。
また、子供が捻挫をしたばかりのときには、お風呂は控えさせましょう。特に湯船につかってはいけません。というのも、お風呂で患部を温めてしまうと、捻挫の内出血や炎症が悪化してしまうからです。どうしても身体をキレイにしてあげたいときには、サッとシャワーを浴びさせるようにします。
最後に
いかがでしたか?子供が足首などを捻挫したときの対処方法をお伝えしてきました。子供が捻挫をするとパニックになることもあると思いますが、大人が冷静に対処してあげましょう。
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