別珍素材の洋服を愛用している方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか?別珍は優雅で高級感が漂う素材なので、コーディネートのどこかに組み込むと上品な印象にまとまりますよね。
ただファッションでは季節感も非常に大切です。別珍素材の洋服を着る最適な時期はいつくらいなのでしょうか?
別珍素材とは?
別珍素材の洋服の最適な時期がいつくらいなのかを考える前に、ちょっとだけ別珍素材について理解を深めておきましょう。何かのヒントになるかもしれません。あまり興味がない方は読み飛ばしてくださいね。
そもそも「別珍」とは、コットン(綿)100%のベルベット(=ビロード)のことで、パイルをカットすることで表面を起毛させた織物素材です。非常にソフトで保温性に優れているともに、コットン(綿)でありながらも優雅な光沢感を持っているのが特徴です。現在国内では95%以上が静岡県磐田市で製造されています。
「別珍」は「ベルベッティーン(英語:velveteen)」が転化した言葉です。「ベルベッティーン」→「ベルベッチン」→「ベッチン」と変化していった後、「別珍」という漢字が当てられるようになりました。具体的には1917年にベルベッティーンの足袋の商標名に「別珍」が用いられたところから、「別珍」という言葉が世間に浸透したそうです。
また、「別珍(=ベルベッティーン)」と「ベルベット(=ビロード)」はよく混同されますが、実は別のものです。前述のように「別珍」はコットン(綿)が原料であるのに対して、「ベルベット」はシルク(絹)・レーヨン・アセテートなどが原料です。さらに「別珍」は横糸でパイルをつくりますが、「ベルベット」は縦糸でパイルをつくります。
ただ「別珍」と「ベルベット」を見た目だけで判別するのは非常に難しいですし、一般的な洋服屋さんでは厳密に区別していないことも珍しくありません。
別珍素材の洋服の最適な時期はいつくらいなのか?
一般的に別珍素材の洋服が活躍する主な時期は秋冬です。別珍素材は表面に起毛があるために保温性が高いという特徴があるからです。
個々のアイテムや組み合わせにも影響されますが、具体的に別珍素材の洋服をいつからいつまで着れるかというと、おおよそ10月上旬ごろから3月下旬ごろまでが目安になるでしょう。インターネット上の口コミを調べてみても、おおよそこのくらいを目安にしているという方がほとんどでした。
9月下旬以前はまだまだ朝晩を通して暑いです。また、4月上旬以後もだんだん汗ばむ陽気が増えてきます。いずれも別珍素材の洋服を着ていると「ちょっと暑苦しい」という印象を与えてしまいやすいでしょう。もちろん、9月下旬以前や4月上旬以後にも気候が肌寒いことはありますが、暦的に季節感がない印象になってしまいがちです。
別珍素材の洋服を春夏に着るのは変なのか?
では別珍素材の洋服を春夏に着るのはファッションとして変なのでしょうか?
最近ではファッションのシーズンレス化が進んでいるからなのか、別珍素材のTシャツなどもちょっとずつ増えている傾向にあります。各洋服ブランドが春夏に向けた別珍素材のアイテムをリリースしているということですから、一概に別珍素材の洋服を春夏に着るのが変だとは言えないでしょう。
以下では別珍素材の洋服を春夏に着るときの5つのチェックポイントをご紹介します。あなたが持っている別珍素材の洋服に3つ以上あてはまる場合は、春夏に着用しても基本的に問題ないかと思います。また、洋服のデザイナーさんも春夏用のものとしてつくっている可能性が高いです。
別珍素材の起毛が長いと秋冬ものという印象が強くなります。逆に別珍素材の起毛が短ければ秋冬ものという印象が弱くなります。したがって、別珍素材の洋服でも起毛が短いものは春夏に使用できる可能性があります。
2.薄手である
他の洋服でも同じことですが、単純に別珍素材も厚手だと温かくなりますし、一方で薄手だと涼しくなります。したがって、別珍素材の洋服でも薄手のものは春夏に着用できる可能性があります。
3.春夏らしいカラーである
たとえば、サーモンピンク・レモンイエロー・ライトブルーなどのパステルカラーは春夏らしい印象を与えます。別珍素材の洋服でも春夏に使いやすいでしょう。逆にブラック・ブラウン・ワインレッドなどの別珍素材は重苦しい印象になりがちですので、基本的には春夏には使いづらいです。
4.適度に肌を露出しているデザインである
別珍素材の洋服でも適度に肌の露出しているデザインであれば、軽快感や清涼感を演出できるため、春夏にも着用できる可能性があります。たとえば、Tシャツなどのように腕が見えるものはもちろん、ざっくりとしたVネックで首元が見えるもの、オフショルダーのものなどがあります。
5.コーディネートに占める割合が小さい
Tシャツやキャミソールなどのトップスはコーディネートに占める割合が小さいので、別珍素材のものでも春夏に着る難易度は低いですまた、靴やバッグなどはもっとファッションに組み込みやすいでしょう。逆にジャケットやワイドパンツなどはコーディネートに占める割合が大きいので、別珍素材のものを春夏に着のは難易度が高いです。
最後に
いかがでしたか?別珍素材の洋服の最適な時期はいつごろなのかについて考えてきました。一般的に別珍素材が活躍する季節は秋冬でしたが、最近では別珍素材の洋服でも春夏を意識したものが出ています。そのため、一概に別珍素材の洋服を春夏に着るのが変だとは言えません。
ご自身が持っている別珍素材の洋服のデザインなどをしっかり確認した上で、いつ着用するのかを判断してみてくださいね。
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