「ベロア素材の洋服を適当に収納していたらシワがついてしまった…」
あなたはこんな経験ありませんか?ベロアは高級感の漂う素材だけに、あまりにシワシワだと残念な印象になってしまいますよね。
ここではベロア素材の洋服についたシワをとる方法を解説します。また、ベロア素材の洋服にシワがつきづらい洗濯・管理の仕方もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
ベロア素材とは?
ベロア素材の洋服についたシワをとる方法を考える前に、ちょっとだけベロア素材について理解を深めておきましょう。ベロア素材の洋服のお手入れを考えるヒントになります。
そもそも「ベロア(Velour)」とは、ビロードのように表面が起毛している編物(ニット)素材のことです。「毛むくじゃら」という意味のラテン語に由来しています。
ベロア素材は非常にソフトで保温性に優れているとともに、優雅な光沢感を持っているのが特徴です。ベロア素材の原料としては、綿(コットン)・絹(シルク)・ポリエステル・レーヨン・アセテートなどさまざまなものが使われます。
また、「ベロア」と「ベルベット」は混同されがちですが、実は別のものです。確かに「ベロア」と「ベルベット」は見た目が非常に似ているのですが、「ベロア」は編物(ニット)なのに対して「ベルベット」は織物(縦糸と横糸で構成される)です。ただ一般的な洋服屋さんでは厳密に区別していないこともあります。
ベロア素材の洋服にアイロンをかけてもよいのか?
洋服のシワを伸ばしたいとき、すぐに頭に浮かぶのはアイロンですよね。ではベロア素材の洋服にアイロンをかけてもよいのでしょうか?
一般的にベロア素材に直接アイロンでプレスをかけてはいけません。もちろん、例外的なものもありますから、まずはそれぞれの洋服の洗濯表示を確認してみましょう。
ベロア素材に直接アイロンでプレスをかけてはいけないのは、表面の起毛が完全に倒れてしまうからです。もしベロア素材の起毛が倒れてしまうと、ベロア素材が持っている独特の雰囲気が死んでしまいます…。
また、ベロア素材は熱に弱い繊維を使っていることがあります。そのため、ベロア素材に直接アイロンでプレスをかけると、表面が溶けてしまうことで、テカテカとした仕上がりになってしまう可能性もあります。
したがって、ベロア素材の洋服のシワをとりたいときには、別の方法を検討したほうがよいでしょう。以下ではベロア素材の洋服についたシワをとる3つの方法をご紹介します。
ベロア素材の洋服のシワをとる3つの方法とは?
方法1.スチームアイロンで蒸気だけをあてる
ベロア素材の洋服に直接アイロンでプレスをかけるべきではありませんでした。しかし、一切アイロンが使えないという意味ではありません。
ベロア素材の洋服についたシワを伸ばしたい場合には、スチームアイロンの蒸気だけをあてるようにしましょう。そうすれば、ベロア素材の表面の起毛を倒さず、シワだけをとることができます。
具体的には洋服からスチームアイロンを約2~3cm浮かせた状態で蒸気だけをあてます。このとき、洋服をハンガーなどに吊るしておくとやりやすいです。
しっかりシワが伸びたら、そのまま約5~10分くらいハンガーに吊るしておきます。完全に洋服が乾く前にクローゼットなどに収納してしまうと、またシワがついてしまいますので、しばらく時間をおいてから収納しましょう。
方法2.お風呂場に一晩吊るしておく
「スチームアイロンを持っていない…」という方もご安心ください。実は自宅のお風呂場でも同様の効果を得られます。
具体的にはベロア素材の洋服を入浴後のお風呂場に一晩吊るしておくだけです。そうすると、ベロア素材の洋服についたシワがお風呂場の湿気でキレイにとれるのです。
このとき、ベロア素材の洋服に直接水滴などがついたりしないように注意してください。また、ベロア素材の洋服がハンガーなどから落ちないように、適当なタオルの上から洗濯バサミで固定するなどの工夫をしましょう(タオルをあてるのは洗濯バサミの跡がつかないようにするためです)。
その後はベロア素材の洋服を風通しのよいところに移動させます。完全に洋服が乾いたら、適度にブラッシングをしてあげましょう。仕上がりがさらにきれいになります。
方法3.シワ伸ばしスプレーを使う
ベロア素材の洋服にちょっとシワがついているくらいの場合には、「シワ伸ばしスプレー」を使うのもおすすめです。とにかく手軽に洋服のシワをとることができます。
シワ伸ばしスプレーは各メーカーから約300~1000円ほどで販売されています。スーパー・ドラッグストア・ホームセンターなどの生活用品コーナーに置いてありますし、インターネット通販でも購入できます。下記のシワ伸ばしスプレーは花王が販売しているものです。
シワ伸ばしスプレーを使うのは簡単です。まずベロア素材の洋服のシワが目立つところがしっとりと湿るくらいまでスプレーします。そして、シワを中心に縦・横・斜めと生地を引き伸ばします。あとは洋服をハンガーなどに吊るした状態でおおよそ10~15分くらい放置しておくだけです。洋服が乾くとシワがきれいになくなっているはずです。
ほとんどのシワ伸ばしスプレーは洋服の消臭効果も持っています。ベロア素材の洋服を着用した後に適当に吹きかけておくのもよいでしょう。
そもそもベロア素材の洋服にシワをつけないためには?
ここまでベロア素材の洋服についたシワをとる方法をご紹介してきました。しかし、スチームアイロンで蒸気をあてたりするのは面倒ですから、普段からベロア素材の洋服にシワをつけない工夫をするのがおすすめです。
洗う
ベロア素材の洋服を洗濯機にかける場合には、必ずネットに入れましょう。他の洋服と絡むとシワになりやすいからです。洋服をネットに入れる前に、「①ファスナー・ボタンなどをすべて留める」→「②裏返す」→「③たたむ」というステップを踏むと、さらにシワができづらくなります。
ベロア素材の洋服にシワがつきづらくするためには、単純に柔軟剤を入れるのも効果があります。また、ベロア素材の洋服の脱水時間はできるだけ短くするとよいでしょう。
干す
ベロア素材の洋服を洗濯後(脱水後)にそのまま放置してしまうと、シワが残ってしまう可能性が高いです。すぐにハンガーなどに吊るしましょう。ジャケットなどは形が崩れないように厚手のハンガーにかけるのがよいです。パンツやスカートは着用時の形になるように筒状に干します。
そして、このベロア素材の洋服を干す前に、しっかりとシワを伸ばしておくことが大切です。具体的な手順は以下を参考にしてみてください。
まず洋服の端を両手で持って、上から下へバサッと何度か振りさばきます。全体の大きいシワをとります。
STEP2.引っ張る
襟・袖・裾などの縫い目がたくさんあるところは、シワが残りやすいです。ピーンと何度か引っ張ることで、シワを引き延ばします。
STEP3.叩く
洋服を叩くことで表面のシワを伸ばしていきます。手のひら全体で両側から挟むように叩きましょう。ハンガーに吊るしてからのほうがやりやすいです。
収納する
ベロア素材の洋服にシワをつけないためには、クローゼットなどに収納するときもハンガーに吊るしておきましょう。他の洋服とぶつからないように十分なスペースを確保できるのが理想です。
ただすべての洋服をハンガーに吊るしていたのではスペースが足りなくなりますから、どうしてもベロア素材の洋服をたたんでおかなければいけないこともあるでしょう。
実はこのときもベロア素材の洋服にシワをつけないコツがあります。それはベロア素材の洋服をたたんだ後に立てた状態で収納することです。
実は洋服をしまったときにシワができるのは折りたたむからではありません。それよりもたくさんの洋服を積み重ねることの影響が大きいのです。上のほうの洋服は問題ないですが、下のほうの洋服は押しつぶされるので、くっきりとシワがついてしまいます。
これを防ぐには、洋服を立てた状態で収納するのがよいです。そうすれば、しばらく洋服を収納ケースに入れておいても、それほどシワにはなりません。洋服の着用前にちょっと手でシワを伸ばすくらいでも問題ないでしょう。
また、ギュウギュウに洋服を詰め込みこみすぎると、結局シワになってしまいます。そのため、洋服を立てた状態で収納するときには、ゆったりとスペースに余裕を持たせることも大切です。
最後に
いかがでしたか?ベロア素材の洋服についたシワをとる方法などを解説してきました。ベロア素材の洋服がシワシワだと残念な印象になってしまいがちですから、しっかりとケアをしてあげましょう。
<画像出典>
●古着屋 JAM 京都店
https://jamtrading.jp/kyoto/
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