「できるだけすぐに打撲を治したい!」
あなたはこのように思っていませんか?打撲の痛みや腫れがあると日常生活でも何かと不便を感じます。また、顔などの目立つところに打撲をしていると恥ずかしかったりもしますよね。
打撲の治療では安静が基本です。ただ打撲の早期回復のためには、普段の食事にも配慮するとよりよいでしょう。ここでは打撲の早期回復に効果的な栄養素・食べ物をまとめました。
目次
そもそも打撲とは?
打撲の早期回復に効果的な栄養素・食べ物を確認する前に、まずは打撲とはどんなケガなのかを理解しておきましょう。
そもそも打撲とは、転倒や衝突などによって身体の内側の皮下組織や筋肉などを損傷することです。全身のあらゆる部位で起きる可能性のあるケガで、打ち身と呼ばれることもあります。
打撲は身体の内側の損傷ですから、基本的に傷口を伴いません。しかし、打撲は少なからず内出血や炎症を引き起こすため、患部に痛みや腫れが発生します。
また、打撲にもさまざまな損傷レベルがあります。何もせずに自然に治る軽傷のケースがほとんどですが、骨折や内臓損傷などを伴う重症のケースもあります。
打撲の早期回復に効果的な栄養素・食べ物とは?
打撲では主に皮下組織・血管・神経・筋肉などを損傷します。そのため、打撲の早期回復のためには、基本的に皮下組織・血管・神経・筋肉などの修復に必要なものを積極的に摂ることが大切です。
栄養素1.たんぱく質
たんぱく質はアミノ酸が多数結合した化合物で、わたしたちの身体をつくる成分です。もちろん、皮下組織・血管・神経・筋肉などもほとんどがたんぱく質で構成されています。
そのため、普段の食生活でしっかりとたんぱく質を摂取しないと、打撲で損傷した組織を修復するための材料が不足することになります。どんなに優秀な大工さんも材料がなければ家は建てれませんよね。わたしたちの身体も同じことで、たんぱく質が不足していると打撲の回復が遅れてしまいます…。
打撲を早期回復したいのであれば、良質なたんぱく質をたっぷりと摂取することが必須です。肉・魚類、乳製品、卵、大豆製品などをバランスよく摂るようにしたいですね。
たんぱく質の1日の摂取目安量は「体重1kgにつき1g」です。たとえば、あなたの体重が50kgだとしたら、1日に50gのたんぱく質を摂ればよいことになります。ただ打撲を早期回復させたいときにはもっとたくさん摂ってもよいでしょう。
たんぱく質は夜寝ているときにたくさん使われる栄養素なので、最低でも夜ご飯では肉類・魚介類をメインのおかずにして、たっぷりとたんぱく質を摂るとよいです。
- 肉類(牛肉・豚肉・鶏肉など)
- 魚介類(マグロ・カツオ・イワシ・サンマ・アジ・サケ・イカ・エビなど)
- 乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど)
- 大豆製品(豆腐・納豆・枝豆・おからなど)
- 卵
栄養素2.ビタミンA
ビタミンAは脂溶性ビタミンのひとつで、細胞の成長と修復を促進させる効果があります。もちろん、打撲で損傷した組織の修復にも効果がありますから、ぜひビタミンAを積極的に摂るようにしましょう。
ビタミンAは下記の食材に豊富です。ビタミンAは油に溶けると吸収率が良くなるので、油で炒めるなどの調理方法がよいでしょう。緑黄色野菜などのサラダにドレッシングをかけるのもおすすめです。
ただしビタミンAの過剰摂取には注意してください。ビタミンAが肝臓に蓄積されると、頭痛・吐き気・発疹・脱毛・筋肉痛・疲労感などの不調の原因となることがあります。
- レバー
- うなぎ
- バター
- チーズ
- 卵
- 緑黄色野菜(ニンジン・ホウレンソウ・カボチャなど)
栄養素3.ビタミンB群
ビタミンB群はビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンなどの総称です。グループで助け合いながら活動するため、ビタミンB群と呼ばれるのです。
ビタミンB群にはたくさんの重要な役割がありますが、特にたんぱく質の分解・合成のときに欠かせません。打撲で損傷する皮下組織・血管・神経・筋肉などもほとんどがたんぱく質でできているのでした。そのため、ビタミンB群が不足すると打撲で損傷した組織の修復に時間がかかってしまいます。
逆にビタミンB群をしっかりと確保すれば、打撲の早期回復につながるでしょう。すぐにでも打撲を治したいという方は、ぜひビタミンB群も意識的に摂ってみてください。
ビタミンB群をたくさん摂取できる食品には以下のようなものがあります。前述の通り、ビタミンB群はグループで働きますから、バランスよく摂ることが大切です。
- <ビタミンB1>…豚肉・うなぎ・たらこ・ナッツ類など
- <ビタミンB2>…レバー・うなぎ・卵・納豆・牛乳など
- <ナイアシン>…たらこ・かつお・ぶり・レバー・豆類など
- <パントテン酸>…レバー・牛乳・卵・納豆など
- <ビタミンB6>…かつお・まぐろ・レバー・さんま・納豆・バナナなど
- <ビタミンB12>…レバー・牡蠣・あさり・さんま・にしんなど
- <葉酸>…菜の花・枝豆・ホウレンソウ・レバーなど
- <ビオチン>…レバー・いわし・にしん・ピーナッツ・卵など
栄養素4.ビタミンC
最もよく名前を聞く栄養素の1つですが、ビタミンCにはコラーゲンの生成をサポートする働きがあります。コラーゲンというと美容に良いというイメージがありますが、皮下組織・血管・筋肉などを構成するたんぱく質のひとつでもあるんですね。ビタミンCを積極的に摂れば、打撲の早期回復にも一役買ってくれるでしょう。
ビタミンCは野菜・果物全般に豊富に含まれています。普段野菜・果物をあまり食べない方は注意してみてくださいね。ビタミンCは消費も激しい栄養素ですから、打撲をしているときには十分に摂取するようにしたいですね。
- 野菜全般
- 果物全般
栄養素5.ビタミンE
ビタミンEは脂溶性ビタミンのひとつです。非常に強い抗酸化作用を持っているため、アンチエイジングのビタミンと呼ばれることもあります。そんなビタミンEは血管を隅々まで掃除してくれるので、打撲で損傷した組織への栄養素の運搬がスムーズになります。もちろん、打撲の回復も進みやすくなるでしょう。
ビタミンEは下記の食材に豊富です。ビタミンEは油と一緒に調理をすることでより吸収率が高まります。また、ビタミンEは水には溶けないので、食材の水洗いなどで失われる心配はありません。
また、ビタミンEは脂溶性で体内に蓄積されますが、過剰摂取による副作用は起きづらいことがわかっています。一般的な食事ではビタミンEの過剰摂取になることはないでしょう。
- ナッツ類(くるみ・アーモンド・ピスタチオなど)
- 植物油(ひまわり油・サフラワー油・コーン油・綿実油など)
- うなぎ
- たらこ
- かぼちゃ
- アボカド
栄養素6.亜鉛
打撲の早期回復のためには、新しい細胞をどんどんつくらなければいけません。そんなときにたくさん必要になる栄養素が亜鉛です。というのも、亜鉛は新陳代謝に必要な反応に関係する多種類の酵素をつくる成分となるほか、たんぱく質の合成や遺伝子情報を伝えるDNAの転写に関わっているからです。
ただ亜鉛は普通の食生活だと非常に不足しやすい栄養素で、バランスよく食事を摂っている方でも不足していることがあるくらいです。しかも亜鉛を豊富に含む食品には牡蠣・ほたて・うなぎなど高価なものが多いですから、サプリメントなどを活用するのもよいかもしれません。
また、ビタミンCには亜鉛の吸収効果を高める作用があります。亜鉛を豊富に含む牡蠣にレモン汁をかけるのは理にかなっているんですね。亜鉛とビタミンCはできるだけ一緒に摂るようにしましょう。
また、ファストフードやインスタント食品などに含まれるいつくかの食品添加物は、亜鉛の吸収を妨げます。打撲を早期回復したいときには、ファストフードやインスタント食品をできるだけ口にしないようにしましょう。
- 牡蠣
- ほたて
- あさり
- うなぎ
- 豚レバー
- 納豆
- 卵
栄養素7.オメガ3脂肪酸
最近TVなどでよく話題になっているオメガ3脂肪酸は、実は打撲の回復にも効果が期待できます。青魚に豊富に含まれている海洋由来のエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)、ナッツ類やエゴマ油・アマニ油などに豊富に含まれる植物由来のα-リノレン酸(ALA)などがありますね。
オメガ3脂肪酸は打撲をしたばかりのときから積極的に摂ってほしい栄養素です。というのも、オメガ3脂肪酸には炎症を抑える作用があるからです。打撲の痛みや腫れを和らげてくれるはずです。
また、オメガ3脂肪酸は血液の循環を促進してくれます。全身の新陳代謝がよくなりますから、打撲で損傷した組織の修復もスムーズに進むでしょう。
オメガ3脂肪酸は以下のような食材に豊富に含まれています。青魚やナッツ類を毎日食べるのが理想的ではあります。ただそれがなかなか難しいなら、エゴマ油や亜麻仁油をスプーン1杯ほどサラダやヨーグルトなどにかけて食べるのがおすすめです。
- 青魚(イワシ・アジ・サンマ・サバなど)
- ナッツ類(くるみ・カシューナッツ・アーモンドなど)
- エゴマ油
- 亜麻仁油
- 豆類
- ごま
最後に
いかがでしたか?打撲の早期回復に効果的な栄養素・食べ物をお伝えしてきました。意外とたくさんの栄養素・食べ物がありましたので、「すぐにでも打撲を治したいけど、こんなたくさんの栄養は摂れない…」と思ってしまった方もいるかもしれません。
そんなときは「たんぱく質」だけは十分に確保するようにしてみてください。何度も繰り返しますが、たんぱく質は皮下組織・血管・神経・筋肉などの材料となるからです。他はとりあえず自分に不足しているだろうものをちょっと意識するくらいでよいでしょう。
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