「打撲の痛みや腫れがなかなか引かない…」
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?もしかして別の異常があるのではないかと心配に思っている方もいらっしゃるでしょう。
ここでは打撲の痛みや腫れが引かないときの原因と対処方法をお伝えします。なぜか打撲の痛みや腫れが引かないという方は、ぜひ何かのヒントをつかんでくださいね。
目次
そもそも打撲とは?
そもそも打撲とは、転倒や衝突などによって身体の内側の皮下組織・血管・神経・筋肉などを損傷するケガのことです。全身のあらゆる部位で起きる可能性のあるケガで、打ち身と呼ばれることもあります。
打撲は身体の内側の損傷ですから、基本的に傷口を伴いません。しかし、打撲は少なからず内出血や炎症を引き起こすため、患部に痛みや腫れが発生します。
また、打撲にもさまざまな損傷レベルがあります。何もせずに自然に治る軽傷のケースがほとんどですが、骨折や内臓損傷などを伴う重症のケースもあります。
打撲の痛みや腫れが引くまでの期間はどのくらいなのか?
では打撲の痛みや腫れが引くまでの期間の目安はどのくらいなのでしょうか?
前述した通り、打撲にもさまざまなケースがあります。そのため、打撲の痛みや腫れが引くまでの期間がどのくらいなのかは、その打撲の損傷レベルによって変わります。
たとえば、手足を家具にぶつけたなどの軽傷の打撲は、基本的に内出血や炎症もそれほどひどくなりません。皮下組織・筋肉・血管・神経などの損傷範囲も小さいでしょう。そのため、適切な応急処置をした上でできるだけ安静にしていれば、おおよそ1~2週間ほどで痛みや腫れが引いてきます。
一方、交通事故で全身を強打したなどの重傷の打撲では、やはり内出血や炎症もひどくなります。皮下組織・筋肉・血管・神経などの損傷範囲も大きいでしょう。そのため、こうした重症の打撲の痛みや腫れが引くまでには、最長で2~3カ月かかることもあります。
ただいずれにせよ、一般的な打撲では適切な応急処置をした上で安静にしていれば、だんだんと回復の兆候が見えてくるはずです。打撲の痛みや腫れが引くような気配を感じられない場合には、何か見落としていることがあるかもしれません。
ではなぜ打撲の痛みや腫れが長引くことがあるのでしょうか?以下でいくつかのケースを考えてみましょう。
打撲の痛みや腫れが引かないときの原因と対処方法
ケース1.骨折
患部の痛みや腫れが長引いているのは、もしかしたら骨折を伴っているからかもしれません。特に打撲を病院で診てもらっていない場合には、その可能性が十分に考えられます。基本的に骨折が自然に治ることはないため、いつまでも患部の痛みや腫れが引かないのです。
「自分は骨折ほどの大ケガではないだろう」と考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、ほんのちょっとだけ骨の表面が剥がれていたり、ほんのちょっとだけ骨にヒビが入っていたりすることもあります。もちろん、それらも立派な骨折なのです。
しかも骨折しているかどうかを外見だけで正確に見極めることはできません。したがって、ちょっとでも不安に思うことがあるなら、自己判断せずに病院で診察を受けたほうがよいでしょう。もし骨折が見つかったら、整復療法や手術療法で対処していくことになります。
ケース2.脳損傷・内臓損傷
あなたが頭部・胸部・腹部などを打撲したのなら、脳損傷や内臓損傷を起こしている可能性があります。打撲直後は何ともなかったとしても、数日後に異常が出ることもあります。打撲からしばらくしているのに痛みや腫れが引かないということも、十分に考えられるでしょう。
もちろん、脳損傷や内臓損傷は命にかかわることもあります。また、脳損傷や内臓損傷も外見だけで正確に見極めることはできませんから、もし頭部・胸部・腹部などを打撲した場合には、必ず病院を受診するようにしましょう。もし脳や内臓からの出血が確認された場合には、おそらく手術で対応することになるでしょう。
ケース3.細菌感染
打撲によるダメージがきっかけで、皮下細胞組織で細菌感染を起こしてしまうことがあります。そうすると、身体が細菌と戦うために炎症を起こすので、いつまでも患部の痛みや腫れが引きません。
もし患部で細菌感染を起こしている場合には、通常の打撲の治療をしていても効果はありません。抗生物質などで細菌を退治する必要がありますから、必ず病院を受診しましょう。
ケース4.コンパートメント症候群
打撲の内出血や炎症があまりにひどいと、血管が圧迫されることで筋肉や神経などの組織が壊死してしまうことがあります。これをコンパートメント症候群と呼びます。
いつまでも打撲の痛みや腫れが引かないのなら、もしかするとコンパートメント症候群に陥っているのかもしれません。コンパートメント症候群を放置していると、知覚異常・運動麻痺などの後遺症が残ってしまうこともありますから、すぐにでも病院を受診してください。一般的にコンパートメント症候群は手術による切開で対応します。
ケース5.血腫
もしかするとあなたは打撲をしたところにしこりのようなものがありませんか?そうだとしたら、それは血腫かもしれません。打撲による内出血のほとんどは、時間の経過とともに自然に吸収されます。しかし、ときどき打撲による内出血が吸収されずに、血腫として残ってしまうことがあるのです。
そして、いつまでも打撲の痛みや腫れが引かないのは、血腫が神経を圧迫している可能性があるでしょう。血腫を除去する方法には、温熱療法・電気治療・超音波治療などがあります。いずれも血液の循環をよくすることで、血腫の吸収を促します。どうしても血腫が吸収されないときには、手術で切開することも検討します。
最後に
いかがでしたか?打撲の痛みや腫れがなかなか引かないときの原因と対処方法をお伝えしてきました。いずれのケースでもまずは遠慮せずに病院で診察を受けるのが確実です。専門家と一緒に適切な治療方法を考えていきましょう。
なお、打撲で病院を受診するなら整形外科が最適です。というのも、打撲の症状を正確に診察するためには、レントゲン撮影やMRI検査・CT検査が必要になるからです。整骨院や接骨院ではレントゲン撮影やMRI検査・CT検査はできませんので、必ず整形外科の専門医がいる病院を選びましょう。
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