「特に鼻をさわったわけでもないのに、鼻血がよく出る…」
あなたはこんな症状に悩んでいませんか?ほとんどの鼻血はかすり傷と同じで、特に問題はありません。ただ重大な病気のサインとして鼻血が出ているのかもしれません。
ここでは鼻血が出やすくなる9つの病気についてまとめました。「自分の鼻血は病気かもしれない…」と思ったら、遠慮せずに病院を受診するようにしてくださいね。
1.高血圧症
遺伝、肥満、運動不足、飲酒、塩分の過剰摂取、喫煙、ストレスなどの複合的な原因により、血圧の上昇した状態(収縮期[最高]血圧140mmHg以上、または拡張期([最低]血圧90mmHg以上)が続く症状です。日本では高血圧の潜在的な患者数は約4000万人とも言われています。
高血圧は特徴的な自覚症状はほとんどありません。そのまま放置していると動脈硬化が進むことで、心筋梗塞や脳卒中などの合併症を引き起こす危険な病気です。
高血圧は全身の血管への圧力が高い状態が続いているということです。そのため、血管がもろくなりやすいので、鼻血が出やすくなることがあります。高血圧が原因で鼻血が出ている場合には、血圧を下げることで鼻血が出づらくなります。生活習慣を少しずつでも変える努力が必要になるでしょう。
2.動脈硬化症
血液中のLDLコレステロールが動脈の血管壁に沈着することで、動脈が硬くなる病気です。動脈硬化が進むと、血管は弾力性を失います。つまり、血管が傷つきやすくなるため、出血しやすくなってしまうのです。その症状の1つとして鼻血が出ることがあります。
動脈硬化には特徴的な自覚症状はあまりないため、気づかないうちに症状が悪化してしまっているケースが少なくありません。心筋梗塞や脳梗塞などの疾患を引き起こす重大な病気ですから、十分に注意するようにしましょう。
3.糖尿病
糖尿病は血糖値が一定基準よりも高くなる病気です。合併症を引き起こすリスクの高い生活習慣病として有名ですよね。日本では約1,000万人の糖尿病患者がいるとされています。
糖尿病になると鼻血が出やすくなることがあります。というのも、糖尿病により高血糖の状態が続くと、血管がもろくなるから。そのため、ほんの小さな衝撃でも鼻の内側の毛細血管が傷ついてしまうので、鼻血が出やすくなるのです。頻繁に鼻血が出るという糖尿病患者の方は少なくありません。
4.白血病
血液のガンとも言われる白血病は、骨髄で異常な白血球細胞が増殖することで、正常な白血球をつくることができなくなる病気です。最悪の場合は死に至ることもあります。
血液中で異常な白血球細胞が増殖すると、正常に止血作用が働かなくなります。結果的に頻繁に鼻血が出るようになります。他にも歯茎からの出血が見られたり、アザ(内出血)ができやすくなったら、白血病を疑ったほうがよいかもしれません。鼻血だけで深刻なる必要はありませんが、気になる場合は病院で診察を受けましょう。
5.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
免疫機能の異常によって血小板が減少するために、出血症状があらわれる病気です。国が指定する難病(特定疾患)の対象にもなっています。
顔や身体に砂粒のような赤い点状の内出血がたくさんあらわれるという初期症状があります。さらに症状が進行すると、歯茎からの出血、鼻血、血尿や血便などが見れれます。そうした出血症状が続く場合は、速やかに病院を受診しましょう。
6.肝機能障害
肝機能障害とは、その名前の通り、肝臓の機能が低下する症状のことです。肝機能が低下すると、血液凝固作用も低下します。そのため、鼻血が出やすくなるだけでなく、鼻血がなかなか止まらないという症状があらわれます。
肝機能障害を引き起こす代表的な原因は、やはり過度な飲酒です。毎日のようにお酒を飲んでいるという方は、肝機能障害を疑ってみたほうがよいかもしれません。肝機能障害を放っておくと、肝炎・肝硬変・肝臓がんなどに進行するリスクもあります。
7.腎不全
腎不全とは、腎臓の機能が低下する症状のことです。腎臓が正常に働かなくなることでも、頻繁に鼻血が出るようになることがあります。
実は腎臓と血圧は切っても切れない関係にあるとご存知でしたか?腎臓の機能が低下すると、余分な塩分と水分の排泄ができなくなるので、血液量が増加して血圧が上昇します。前述の通り、高血圧になると血管が傷つきやすくなるため、鼻血が出やすくなることがあります。
8.自律神経失調症
「自律神経」とは、わたしたちの身体のなかで自動的(自律的)に動いている神経のこと。心臓を動かす、胃腸を動かす、血液を循環させる、汗をかくなど、身体が勝手に行っている活動には、すべて自律神経が関係しています。
そして、この自律神経は正反対の働きをする「交感神経(活動モード)」と「副交感神経(休息モード)」の2つがあります。交感神経は自動車のアクセル、副交感神経は自動車のブレーキのようなものと考えるとわかりやすいでしょう。
交感神経は優位になるのは主に昼間です。仕事・勉強・運動・家事・育児などの活動をしているときはもちろん、人前でのスピーチで緊張しているとき、怒る・泣くなどの感情が激しく動いているときなども交感神経が優位になっています。
一方で副交感神経は主に夜間に優位になります。睡眠時がピークになりますが、他にも食事や入浴などのゆったりとリラックスしているときには副交感神経が働いてます。
「自律神経失調症」とは、不規則な生活習慣やストレスなどが原因で、交感神経と副交感神経のバランスが崩れてしまうことで起きる症状の総称です。頭痛、耳鳴り、目の乾き、めまい、立ちくらみ、手の痺れ、多汗、肩こり、微熱、精神不安定などなど…。たくさんの症状がありますが、その1つとして鼻血が出やすくなることがあります。
自律神経失調症の症状は多岐にわたるため、なかなか自己判断はできません。「もしかしたら自律神経失調症なのではないだろうか?」と不安な方は、病院で診察を受けるのがよいです。
9.蓄膿症(ちくのうしょう)
炎症により副鼻腔(頬や目の周りにある骨の空洞部分)に膿(うみ)がたまる病気です。風邪、花粉症などのアレルギー、ダニ、カビなどが原因で発症するケースが多いです。
「何となくいつも息苦しい」「いつも鼻がつまっている」「ドロっとした黄ばんだ鼻水が出る」「鼻声が出る」「頭痛が起きやすい」「食べ物のニオイや味がわからない」などの症状がありますが、ときどき鼻血が出やすくなるというケースもあります。鼻の粘膜の抵抗力が下がってしまうからです。
上記の症状に心当たりがある場合には蓄膿症の可能性を疑ってみるとよいでしょう。
最後に
いかがでしたか?鼻血を引き起こすことのある9つの病気について解説してきました。
「鼻の内部の粘膜が弱くなることで、些細な衝撃でも鼻血が出ている」というのがほとんどのケースです。ただ重大な病気のサインとして鼻血が出ている可能性も否定はできません。何らかの病気に心当たりがあったという方は、遠慮せずに病院で診察を受けるようにしましょう。
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