「いつも洗顔をすると鼻血が出る…」
あなたはこんな症状に悩んでいませんか?どこかに鼻をぶつけたりしたわけでもないのに突然鼻血が出ると、何かの病気なのではないかと心配になってしまいますよね。
ここではいつも洗顔で鼻血が出るときの原因と対処方法をお伝えします。いつも洗顔をすると鼻血が出てしまうという方は、ぜひ何かのヒントをつかんでくださいね。
目次
そもそも鼻血が出るメカニズムとは?
いつも洗顔で鼻血が出るときの原因と対処方法を考えていく前に、まずは鼻血が出るメカニズムを把握しておきましょう。
鼻血が出るメカニズムは基本的にかすり傷などと同じです。つまり、鼻血が出るのは単純に鼻の内部の毛細血管が傷つくからです。
そして、ほとんど鼻血は「キーゼルバッハ部位」というところから出ます。このキーゼルバッハ部位は鼻中隔(左右の鼻の穴を分けているところ)からおおよそ1.0~1.5cmほど奥にあります。キーゼルバッハ部位は毛細血管が集中している上に、表面の粘膜も非常に薄くなっているため、日常生活で起きる些細な衝撃でも出血しやすいのです。
ただ高血圧や動脈硬化などをわずらっていると、もっと鼻の奥にある粘膜から出血する場合もあります。
頻繁に鼻血が出る人の特徴とは?
頻繁に鼻血が出る人もいますが、一方でほとんど鼻血が出ない人もいます。頻繁に鼻血が出る人には何か特徴があるのでしょうか?
頻繁に鼻血が出る人の共通点は、単純に鼻の内部の粘膜が弱っているということです。鼻の内部の粘膜が弱っているために、些細な衝撃でも毛細血管が傷ついてしまうのです。
たとえば、鼻のかみすぎ・いじりすぎなどで鼻の内部の粘膜がいったん傷つくと、些細な衝撃でも鼻血が出やすい状態になります。鼻の内部の粘膜が完全に回復するまでは、些細な衝撃でも鼻血が出やすい状態が続きますから、風邪やアレルギー性鼻炎の方は注意する必要があるでしょう。
また、子供は鼻の内部の粘膜もデリケートです。そのため、単純に活発だということもありますが、子供のほうが大人よりも鼻血を出しやすいです。
最後に稀なケースではありますが、生まれつき鼻中隔(びちゅうかく)が曲がっている「鼻中隔湾曲症」というのもあります。鼻づまりが起きやすいため、鼻血が出やすくなることがあります。鼻中隔湾曲症は手術などで改善することがあります。
洗顔で鼻血が出るときの原因とは?
ではなぜ洗顔で鼻血が出ることがあるのでしょうか?
洗顔で鼻血が出る原因のほとんどは、急激な温度変化による血圧上昇です。鼻の内部の粘膜が弱っていると、急激に血圧が上がるだけで毛細血管が破れてしまうことがあるのです。風船を一気に膨らませてしまうと、すぐにパンッと割れてしまいやすいですよね。そんなイメージを持つとわかりやすいかもしれません。
特に冬の冷えた朝に熱いお湯で洗顔をしたりすると、急激に血圧が上昇しがちです。そのため、結果的に鼻血が出やすくなってしまいます。
もしかして病気なの?危険な鼻血を判別する方法
洗顔で鼻血が出やすいとしても、単に鼻の内部の粘膜が弱っているだけであれば、それほど問題ではありません。
しかし、何らかの病気が原因で鼻血が出やすくなっている可能性もあります。では何らかの病気による鼻血はどのように見分ければよいのでしょうか?以下のポイントをチェックしてみてください。
そして、何か心あたりがあれば、早めに病院を受診しましょう。「特に問題はなかった」と確認するだけでも、お医者さんに診察をしてもらう価値はあります。
鼻の奥から出血がある
ほとんどの鼻血はキーゼルバッハ部位(鼻の穴付近にある)から出るのでした。もっと鼻の奥から出血があるときには、何らかの病気の可能性もあります。
鼻血がなかなか止まらない
一般的な鼻血は安静にしていれば約10~20分ほどで止まります。しかし、何らかの病気による鼻血は安静にしていてもなかなか止まらないことがあります。鼻血が全然止まらないというときには、何らかの病気を疑いましょう。
全身的に出血がある
白血病や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などの場合は、全身的に出血が起きやすくなります。鼻血だけでなく、歯茎からの出血があったり、アザが出来やすくなります。
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単に鼻の内部の粘膜が弱っているだけだとしても、いつも洗顔で鼻血が出るのは困りますよね。ここではいつも洗顔で鼻血が出るときの対処方法をいくつかご紹介します。
洗顔のときの水温に注意する
まずは洗顔のときの水温に注意しましょう。急激な温度が変化すると、血圧が上昇してしまうからです。特に水温が熱すぎるのはよくありません。洗顔を約35~38℃のぬるま湯でするようにすると、あまり鼻血が出なくなるでしょう。
事前に洗面所を温めておく
冬場などの寒いときには、事前にストーブなどで洗面所を温めておくのもよいです。急激な温度変化によって血圧が上昇することを防げます。
クリーム・軟膏・オイルなどを塗る
洗顔前に鼻の内部にクリーム・軟膏・オイルを塗っておくのも効果的な方法です。最初は鼻の内部に何かを塗ると違和感がありますが、だんだんと慣れてきます。
どんなクリーム・軟膏・オイルでもよいのですが、特におすすめなのは「ワセリン」です。というのも、ワセリンには出血を予防・抑制する効果があるからです。よくボクシングの選手が顔などにワセリンを塗っているのは、打撃の摩擦で出血してしまうことを予防・抑制するためです。ワセリンは薬局やドラッグストアなどで購入できます。
鼻血予防に効果的な栄養素を摂る
鼻血予防に効果的な栄養素はいくつかありますが、特に意識的に摂取してもらいたいのが、「ルチン」というポリフェノールの一種です。
ルチンには毛細血管を強化する働きがあるため、出血性の疾患を予防する効果があります。もちろん、鼻血の予防も期待できます。そば、アスパラガス、トマト、ミカン、レモンなどにルチンは豊富に含まれています。
レーザー治療をする
どうしても洗顔で鼻血が出てしまうという方は、病院でレーザー治療を受けるという方法もあります。鼻の内部の粘膜をレーザーで焼くことで、毛細血管から出血しづらくします。
レーザー治療というと大げさに感じますが、おおよそ30分ほどで終わりますし、入院などの必要もありません。また、レーザー治療の費用は片方の鼻で約3,000円です(健康保険適用で自己負担額3割のケース)。
正しい鼻血の止血方法とは?
もし鼻血が出てしまったら正しい方法で止血をしましょう。まずはやや頭を下げた姿勢をとりましょう。そして、鼻をギュッとつまんでいれば、おおよそ10~20分くらいで完全に鼻血は止まります。
ティッシュペーパーや脱脂綿を鼻の入口だけにつめても、あまり意味はありません。ティッシュペーパーや脱脂綿は鼻の奥まで押し込んでください。出血部位をしっかりと圧迫することが大切です。
運動や入浴のときに鼻血が出ると、血流がよくなっている分、なかなか鼻血が止まらないことがあります。そんなときには冷水で濡らしたタオルなどで首筋や眉間を冷やしてあげると効果的です。
また、「上を向く」「横になる」という民間療法がありますが、実は鼻血が口に逆流してくるだけで意味がありません。「首筋をトントン叩く」のも特に鼻血を止める効果はないと判明しています。
どうしても鼻血が止まらない場合には、たかが鼻血と考えずに病院を受診しましょう。なお、一般的に鼻血は病院の耳鼻咽喉科を受診するのがよいです。
最後に
いかがでしたか?いつも洗顔で鼻血が出る原因と対処方法をご紹介してきました。「鼻の内部の粘膜が弱くなることで、洗顔で血圧が上昇するだけでも毛細血管が破れてしまっている」というのがほとんどのケースです。
ただ鼻血が重大な病気のサインとなっている可能性も否定できません。もしも何か不安なことがあるなら、遠慮せずに病院の耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
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