あなたは鼻血が出たときにどのように対処していますか?鼻血の応急処置についてはたくさんの間違った情報が出回っています。もしかしたらあなたも鼻血の対処法を間違っているかもしれません。
ここでは鼻血が出たときに絶対にやってはいけない5つの対処法をご紹介します。また、正しい鼻血の応急処置も解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
そもそも鼻血が出るメカニズムとは?
まずは鼻血が出るメカニズムを理解しておきましょう。
鼻血が出るメカニズムは基本的にかすり傷などと同じです。つまり、鼻血が出るのは単純に鼻の内部の毛細血管が傷つくからです。
そして、ほとんど鼻血は「キーゼルバッハ部位」というところから出ます。このキーゼルバッハ部位は鼻中隔(左右の鼻の穴を分けているところ)からおおよそ1.0~1.5cmほど奥にあります。キーゼルバッハ部位は毛細血管が集中している上に、表面の粘膜も非常に薄くなっているため、日常生活で起きる些細な衝撃でも出血しやすいのです。
ただし、高血圧や動脈硬化などをわずらっていると、もっと鼻の奥にある粘膜から出血する場合もあります。
鼻血が出たときに絶対にやってはいけない5つの対処法
1.上を向く
鼻血の対処法として昔からよく言われているのが上を向くというものです。鼻血が下に垂れ落ちないように無意識に上を向いている方も、きっとたくさんいらっしゃるでしょう。
しかし、実は鼻血が出たときに上を向くのは完全に間違った対処法です。確かに鼻血を垂れ落ちないようにすることはできますが、血液が喉へと逆流してしまうのが非常に危険です。血液が気道に入ってしまうと窒息する可能性もあります。鼻血が出たときに上を向くのは絶対にやめましょう。
2.横になる(仰向けに寝る)
鼻血が出たときに横になるのも完全に間違った対処法です。確かに鼻血が出たときに横になるとだんだん気持ちは落ち着きます。しかし、これも血液が喉へと逆流してしまうのが非常に危険なのです。
前述したように、血液が気道に入ってしまうと窒息する可能性もあります。実際に鼻血が気道に流れ込んだことで窒息死したケースもあります。特に子供や高齢者は血液が気道に入ると窒息しやすいですから、鼻血が出たときに絶対に横に寝かせてはいけません。
3.首筋をたたく
鼻血の民間療法としては首筋をトントンと叩くというものがあります。実際に鼻血が出たときに首筋をトントンと叩いている方もきっといらっしゃるでしょう。
しかし、鼻血が出たときに首の後ろをトントンと叩くのは完全に無意味です。誰がこんなことを言い出したのかわかりませんが、医学的根拠は一切ありません。たとえば、ひざをすりむいたときにふくらはぎを叩いても血は止まらないのと同じです。
むしろ、鼻血が出たときに首の後ろをトントンと叩くと、さらに鼻の内部の粘膜を傷つけてしまう可能性もあります。結果的に鼻血が余計に止まらなくなるかもしれません。しばらく何もしないでいるほうがまだよいと言えるでしょう。
4.ティッシュを何度も交換する
最も代表的な鼻血の対処法はティッシュを詰めることでしょう。確かに鼻血を受け止めるためにティッシュを詰めることは間違っていません。
ただし、そのティッシュを何度も交換するのはあまりよくありません。というのも、ティッシュを何度も交換すると、余計に鼻の内部の粘膜を傷つけてしまう可能性が高くなるからです。もちろん、そうすると鼻血が長引いてしまいます。
鼻血を受け止めるためのティッシュの交換は必要最低限にしましょう。どうしてもティッシュを交換しなくてはならない場合には、鼻の内部の粘膜を傷つけないように十分に注意してください。
5.鼻血の塊をとる
鼻血が治りかけてくると、きっと鼻の内部に血液の塊ができることでしょう。鼻の内部に何となく違和感があるので、この鼻血の塊をとってしまいたくなる気持ちはよくわかります。
しかし、この鼻血の塊はかさぶたのようなもので、決してとってはいけません。鼻血の塊をとってしまうと、再び鼻の内部の粘膜を傷つけてしまいます。日常生活を送るうちに自然と鼻血の塊はなくなりますから、しばらく我慢しましょう。
正しい鼻血の応急処置とは?
もし鼻血が出てしまったときに適切に対処できるようにしておきましょう。ここでは正しい鼻血の応急処置を解説します。
もし鼻血が出たらまずは頭をやや下に向けた姿勢をとりましょう。これは血が喉へ流れないようにするためです。できれば何かに寄りかかるなど楽な姿勢をとるのがよいです。
そして、ティッシュペーパーや脱脂綿を鼻の奥まで詰めます。さらに鼻をギュッとつまみましょう。しっかりと患部を圧迫すれば、ほとんどの鼻血はおおよそ10~20分くらいで完全に止まります。ティッシュペーパーや脱脂綿を何度も交換する必要はありません。
運動や入浴をしているときに鼻血が出ると、血流がよくなっている分、出血がなかなか止まらないことがあります。そんなときには冷水で濡らしたタオルなどで首筋や眉間を冷やしてあげると効果的です。
鼻血が完全に止まった後もしばらくは安静にしていましょう。鼻の内部の粘膜が弱った状態になっていますから、ちょっとした刺激でも鼻血を繰り返してしまいます。鼻の内部にできる血液のゼラチン状のかたまりは無理にとってはいけません。また、長時間の入浴や運動も避けたほうがよいです。
どうしても鼻血が止まらない場合などには、たかが鼻血と考えずに病院を受診してください。ほとんどの鼻血は単に粘膜を損傷しているだけ問題ですが、鼻血が重大な病気のサインとなっていることもあります。なお、一般的に鼻血は病院の耳鼻咽喉科を受診するのがよいです。
最後に
いかがでしたか?鼻血が出たときに絶対にやってはいけない5つの対処法についてご紹介してきました。自分がやっていた鼻血の対処法が間違っていたという方も、たくさんいるかと思います。もし鼻血が出てしまったときには正しい応急処置をできるようにしておきましょう。
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