「鼻血が毎日のように出る…」
あなたはこんな症状に悩んでいませんか?ほとんどの鼻血はかすり傷のようなものなので、特に問題ではありません。ただ病院で詳細な検査をしてもらったほうがよいケースもあります。
ここでは鼻血が毎日出る原因と対処法をご紹介します。鼻血が毎日のように出るという方は、ぜひ何かのヒントをつかんでくださいね。
目次
そもそもどこから鼻血は出るのか?
鼻血が毎日出る原因を探る前に、まずはどこから鼻血が出るのかを把握しておきましょう。
ほとんど鼻血は、鼻中隔(左右の鼻の穴を分けているところ)にある「キーゼルバッハ部位」というところから出ます。キーゼルバッハ部位は毛細血管が集中しているだけでなく、表面の粘膜も非常に薄くなっているため、ちょっとした衝撃でも出血してしまうのです。
ただ高血圧や動脈硬化などをわずらっていると、鼻腔(びこう)の奥にある粘膜から出血する場合もあります。
鼻血が毎日出る原因は?
鼻血が毎日出るのにはどんな原因が考えられるでしょうか?ここでは鼻血が毎日出る原因として考えられるものをピックアップしていきます。
原因1.鼻のかみすぎ・いじりすぎ
前述の通り、キーゼルバッハ部位は毛細血管が集中しているだけでなく、表面の粘膜も非常に薄くなっています。そのため、鼻のかみすぎ・いじりすぎなどで粘膜が弱くなってしまうと、ちょっとした衝撃でも鼻血が出やすくなってしまいます。
特に子供などはついつい鼻をいじったりしがちなので、鼻血が毎日出る原因になってしまうでしょう。大人でも無意識に鼻をいじるのがクセになっているということも少なくありません。
原因2.風邪・アレルギー性鼻炎
風邪やアレルギー性鼻炎によって鼻腔の粘膜が充血すると、鼻血が出やすくなります。しかも風邪やアレルギー性鼻炎のときには大量の鼻水が出ますよね。この状態で鼻を強くかんだりすることで、キーゼルバッハ部位を傷つけて出血します。
風邪やアレルギーでは鼻腔の粘膜が弱った状態が続くため、鼻血が毎日出る原因になっているかもしれません。
原因3.興奮・のぼせ・気温変化
興奮・のぼせ・気温変化などにより、鼻の内部の血液量が一時的に増えることが原因で、鼻血が出ることもあります。たとえば、家族や友達などと口論になって興奮したりすると、一気に血管に負担がかかるため、鼻血が出やすくなります。
他にも入浴や運動などのときに鼻血がよく出るという方は、興奮・のぼせ・気温変化が原因になっている可能性があります。
原因4.カフェインなどの刺激物の過剰摂取
「チョコレートを食べすぎると鼻血が出る」という話は、誰でも1度くらいは聞いたことがありますよね。チョコレートに含まれるカフェインには、血管を収縮させる作用があります。つまり、一時的に血圧が上昇するため、血管に負担がかかるということです。鼻腔の粘膜が弱っていると、こうしたことでも鼻血がでやすくなります。
もちろん、カフェインが含まれているのはチョコレートだけではありません。コーヒーや紅茶、緑茶、栄養ドリンク、風邪薬などにもカフェインがたくさん含まれています。こうした食品をよく口にする方は、鼻血が毎日出る原因になっているかもしれません。また、ニコチンにも巨力な血管収縮作用があるため、タバコが鼻血の原因になっていることもあります。
原因5.病気
高血圧や動脈硬化、糖尿病などで血管がもろくなると、鼻血が出やすくなることがあります。また、白血病や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)など血液の病気でも鼻血が出やすくなります。こうした病気が原因で鼻血が毎日出ているという可能性もあります。
もしかして病気かも?危険な鼻血を判別する方法
単に鼻腔の粘膜が弱っていることで、鼻血が出やすくなっているだけであれば、それほど問題ではありません。でも何らかの病気が原因で毎日のように鼻血が出ている可能性もあります。では何らかの病気が原因で出ている鼻血はどのように見分ければよいのでしょうか?以下のポイントをチェックしてみてください。
そして、気になるポイントがあれば、早めに病院を受診しましょう。「特に病気ではなかった」と確認するだけでも、病院を受診する価値はあります。
特に何もしていないのに、急に鼻血が出る
「鼻をぶつけた」「鼻をかんだ」「鼻をいじった」「鼻をすすった」「くしゃみをした」など、特に何もしていないのに鼻血が出るという場合は、何らかの病気を疑ったほうがよいかもしれません。
鼻の奥から出血がある
前述の通り、ほとんどの鼻血は、鼻の穴の近くにある「キーゼルバッハ部位」というところから出ます。もっと鼻の奥から出血があるときには、何らかの病気の可能性もあります。
鼻血がなかなか止まらない
どれだけ時間がかかっても、通常の鼻血は約15~20分ほどで止まります。しかし、何らかの病気が原因の鼻血は、安静にしてもなかなか止まらないことがあります。鼻血が約30分以上止まらないというときには、何らかの病気を疑いましょう。
全身的に出血がある
白血病や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などの場合は、全身的に出血が起きやすくなります。鼻血だけでなく、歯茎からの出血があったり、アザが出来やすくなります。
鼻血が毎日のように出る人の特徴とは?
鼻血が毎日のように出る人もいますが、一方で鼻血がほとんど出ない人もいます。鼻血が毎日のように出る人には何か特徴があるのでしょうか?
まず単純に生まれつき鼻腔の粘膜が弱いということが考えられます。鼻腔の粘膜が弱いと、ちょっとした衝撃でも鼻血が出やすくりがちです。さらに、特定の栄養素が不足することで、鼻腔の粘膜が弱くなっているために、鼻血が出やすくなっているという可能性もあります。この特定の栄養素については後述します。
また、鼻を頻繁にいじるクセがあったり、花粉症やアレルギー性鼻炎などだったりすると、鼻腔の粘膜が弱りやすいため、鼻血が出やすくなります。
最後に稀なケースではありますが、生まれつき鼻中隔(びちゅうかく)が曲がっている「鼻中隔湾曲症」というのもあります。鼻づまりが起きやすいため、鼻血が出やすくなることがあります。鼻中隔湾曲症は手術などで改善することがあります。
鼻血が毎日のように出る人におすすめの栄養素とは?
ルチン
鼻血が毎日のように出る方にぜひ意識的に摂取してもらいたいのが、「ルチン」というポリフェノールの一種です。ルチンには毛細血管を強化する働きがあるため、出血性の疾患を予防する効果があります。もちろん、鼻血の予防も期待できます。ルチンは以下のような食材に豊富に含まれています。
- そば
- アスパラガス
- トマト
- いちじく
- みかん
- レモン
ムチン
似たような名前の栄養素が続きますが、「ムチン」は糖とたんぱく質が結合してできた多糖類の一種で、人間の鼻の粘膜にもたくさん含まれています。粘膜を保護する働きがあるため、鼻血予防にも効果があります。ムチンは以下のようなネバネバとした食材に豊富です。
- 納豆
- ヤマイモ
- サトイモ
- オクラ
- ナメコ
- レンコン
- モロヘイヤ
ビタミンA
ビタミンAは皮膚や粘膜を構成する上皮細胞をつくる働きがあります。ビタミンAが不足すると、皮膚、目、口、のど、胃腸、肺、気管支など粘膜が乾燥するため、傷つきやすくなります。もちろん、鼻腔の粘膜も乾燥しますから、鼻血も出やすくなります。ビタミンAは以下のような食材に豊富です。
- レバー
- うなぎ
- バター
- チーズ
- 卵
- 緑黄色野菜
ビタミンB2
ビタミンB2は様々な役割を持った栄養素ですが、ビタミンB2が不足すると皮膚や粘膜のトラブルが生じることがわかっています。鼻血が毎日出るという方は、もしかしたらビタミンB2が不足しているかもしれません。以下のような食材を意識的に摂取しましょう。
- レバー
- うなぎ
- 卵
- 納豆
- 乳製品
- 葉菜類
ビタミンB6
ビタミンB6はたんぱく質の分解・合成を助ける栄養素で、皮膚や粘膜の健康維持に働きます。鼻腔の粘膜を強くするという意味で、鼻血予防にも効果が期待できます。ビタミンB6を十分に確保するためには、以下のような食品を意識的に摂りましょう。
- レバー
- さんま
- まぐろ
- かつお
- 大豆製品
- 卵
- にんにく
- バナナ
ビタミンC
最もよく名前を聞く栄養素の1つですが、ビタミンCは皮膚や粘膜などの健康維持に欠かせまん。ビタミンCが不足すると、鼻腔の粘膜が弱くなることで、鼻血が出やすくなることもあるでしょう。ビタミンCは野菜・果物全般に含まれています。普段野菜・果物をあまり食べない方は注意してみてくださいね。
- 野菜全般
- 果物全般
鼻血が出た場合の正しい対処法とは?
もし鼻血が出た場合は、やや頭を下げた姿勢をとりましょう。そして、小鼻(両側の鼻先のふくらんだ部位)を強くつまめば、数分でキーゼルバッハ部位からの出血は止まります。
脱脂綿やティッシュペーパーを鼻につめて止血をする場合は、鼻の入り口にだけつめても効果はありません。脱脂綿やティッシュペーパーを鼻の奥に押しこみ、キーゼルバッハ部位をしっかりと圧迫します。
運動や入浴のときに鼻血が出た場合、血行が良くなっている分、なかなか鼻血が止まらないことがあります。そんなときには冷水で濡らしたタオルなどで首筋や眉間を冷やしてあげると効果的です。
また、「上を向く」「横になる」という民間療法がありますが、鼻血が口に逆流してくるだけで意味がありません。「首筋をトントン叩く」というのも特に効果がないと判明しています。
突然大量の鼻血が出た場合、なかなか鼻血が止まらない場合などには、たかが鼻血と考えずに、速やかに病院に行きましょう。耳鼻咽喉科を受診すれば間違いありません。
最後に
いかがでしたか?鼻血が毎日出る原因と対処法についてご紹介してきました。
「何らかの原因によって、鼻腔の粘膜が弱くなることで、些細な衝撃でも鼻血が出ている」というのがほとんどのケースです。ただ重大な病気のサインとして鼻血が出ている可能性も否定できません。特にいきなり鼻血がよく出るようになったら要注意です。遠慮せずに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
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