「いつも朝になると鼻血が出る…」
あなたはこんな症状に悩んでいませんか?朝から鼻血が出ると何かの病気なのではないかと心配になってしまいますよね。ここでは鼻血が朝に出る原因と対処方法をまとめました。
目次
そもそもどこから鼻血は出るのか?
鼻血が朝に出る原因を探る前に、どこから鼻血が出るのかを把握しておきましょう。
ほとんど鼻血は、鼻中隔(左右の鼻の穴を分けているところ)にある「キーゼルバッハ部位」というところから出ます。キーゼルバッハ部位は毛細血管が集中しているだけでなく、表面の粘膜も非常に薄くなっているため、ちょっとした衝撃でも出血してしまうのです。
ただ何らかの病気をわずらっていると、鼻腔(びこう)の奥にある粘膜から出血する場合もあります。
鼻血が出やすい人の特徴とは?
頻繁に鼻血が出る人もいますが、一方で鼻血がほとんど出ない人もいます。頻繁に鼻血が出る人には何か特徴があるのでしょうか?
頻繁に鼻血が出る人の共通点は、単純にキーゼルバッハ部位の粘膜が弱っているということです。キーゼルバッハ部位の粘膜が弱っているために、些細な衝撃でも毛細血管が傷ついて出血してしまうのです。
鼻のかみすぎ・いじりすぎなどでキーゼルバッハ部位の粘膜がいったん傷つくと、鼻血が出やすくなります。キーゼルバッハ部位の粘膜が完全に回復するまでは、鼻血が出やすい状態が続きますから、風邪やアレルギー性鼻炎の方は注意する必要があるでしょう。
また、子供はキーゼルバッハ部位の粘膜がデリケートにできています。そのため、単純に活発だということもありますが、子供のほうが大人よりも鼻血を出しやすいです。
最後に稀なケースではありますが、生まれつき鼻中隔(びちゅうかく)が曲がっている「鼻中隔湾曲症」というのもあります。鼻づまりが起きやすいため、鼻血が出やすくなることがあります。鼻中隔湾曲症は手術などで改善することがあります。
鼻血が朝に出る原因とは?
では鼻血が朝に出るのにはどんな原因が考えられるでしょうか?ここでは鼻血が朝に出る原因として考えられるものをピックアップしていきます。
原因1.無意識に鼻をいじっている
「朝に目が覚めたら枕やシーツが血まみれだった」なんていうときは、無意識に鼻をいじっていることがほとんどです。特に子供はついつい鼻をいじったりしがちなので、いつも朝に鼻血が出る原因になっているかもしれません。
また、直接的に手で鼻をいじっていなかったとしても、寝返りを打つときなどに鼻を枕や布団に擦りつけてしまっているというのもよくあるケースです。
もちろん、キーゼルバッハ部位の粘膜が弱っているために、些細な衝撃でも出血しやすくなっているという背景があります。キーゼルバッハ部位の粘膜が完全に回復すれば、あまり鼻血が出なくなるでしょう。
原因2.急激に血圧が上昇している
キーゼルバッハ部位の粘膜が弱っていると、急激に血圧が上昇するだけで、鼻血が出ることがあります。急激に血圧が上昇することで、毛細血管が破れてしまうからです。風船を一気に膨らませてしまうと、すぐにパンッと割れてしまいやすいですよね。そんなイメージを持つとわかりやすいかもしれません。
わたしたちの血圧は常に変化していますが、起床前後は血圧が上がりやすい時間帯です。特に朝にバタバタと慌てて身支度をしていたりすると、急激に血圧が上昇します。結果的に「鼻をかむ」「顔を洗う」「シャワーを浴びる」などの動作をするだけで、鼻血が出るということにつながっている可能性があります。
原因3.病気
朝にだけ鼻血が出る病気はありませんが、何らかの病気が原因で鼻血が出やすくなっている可能性はあります。
たとえば、高血圧や動脈硬化、糖尿病などで血管がもろくなると、鼻血が出やすくなることがあります。また、白血病や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)など血液の病気でも鼻血が出やすくなります。
もしかして病気かも?危険な鼻血を判別する方法
単にキーゼルバッハ部位の粘膜が弱っていることで、鼻血が出やすくなっているだけであれば、それほど問題ではありません。特定の条件が重なることで、たまたまいつも朝に鼻血が出ていると考えられます。
しかし、前述の通り、何らかの病気が原因で鼻血が出やすくなっている可能性もあります。では何らかの病気が原因で出ている鼻血はどのように見分ければよいのでしょうか?以下のポイントをチェックしてみてください。
そして、気になるポイントがあれば、早めに病院を受診しましょう。「特に病気ではなかった」と確認するだけでも、病院を受診する価値はあります。
特に何もしていないのに、急に鼻血が出る
「鼻をぶつけた」「鼻をかんだ」「鼻をいじった」「鼻をすすった」「くしゃみをした」など、特に何もしていないのに鼻血が出るという場合は、何らかの病気を疑ったほうがよいかもしれません。ただ前述の通り、急激に血圧が上昇することで、鼻の内部の毛細血管が破れているだけということもあります。
鼻の奥から出血がある
ほとんどの鼻血は、鼻の穴の近くにあるキーゼルバッハ部位から出るのでした。もっと鼻の奥から出血があるときには、何らかの病気の可能性もあります。
鼻血がなかなか止まらない
どれだけ時間がかかっても、通常の鼻血は約15~20分ほどで止まります。しかし、何らかの病気が原因の鼻血は、安静にしてもなかなか止まらないことがあります。鼻血が30分以上も止まらないというときには、何らかの病気を疑いましょう。
全身的に出血がある
白血病や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)などの場合は、全身的に出血が起きやすくなります。鼻血だけでなく、歯茎からの出血があったり、アザが出来やすくなります。
鼻血が朝に出るときの対処方法は?
マスクをつけて寝る
「いつも朝に目が覚めたら枕やシーツが鼻血まみれになっている」という方は、マスクをつけて寝るようにしましょう。寝ているとき、無意識に鼻をさわるのを防ぐことができます。また、鼻の内部の乾燥を予防できるので、毛細血管を傷つけづらくなります。
クリーム・軟膏を塗る
キーゼルバッハ部位の粘膜が弱くなっている場合には、クリーム・軟膏を塗るのも効果的な方法です。最初は鼻の内部のクリーム・軟膏を塗ると違和感がありますが、だんだんと慣れてきます。市販のNIVEAクリームなどを塗りましょう。
爪を切っておく
寝ているときに無意識に鼻をいじってしまっている可能性があるならば、鼻の内部を傷つけないために爪を切っておくのも大切なことです。特にお子さんがいつも朝に鼻血を出すという場合には、しっかり爪を切っておいてあげましょう。
朝は時間に余裕を持つ
朝にバタバタと身支度をしていたりすると、急激に血圧が上昇します。キーゼルバッハ部位の粘膜が弱っていると、それだけでも鼻血が出ることがあるのでした。その対策としては「ゆったりと時間に余裕を持つ」しかありません。いつもより15分ほど早く起きるだけで全然違うので、ぜひ実践してみてください。
洗顔・シャワーの温度に注意する
朝の洗顔やシャワーの温度にも注意しましょう。急激な温度が変化すると、血圧が上昇するからです。水温が冷たすぎるのも、熱すぎるのもよくありません。35~40℃ほどのぬるま湯で洗顔やシャワーをするようにすると、朝に鼻血が出なくなるかもしれません。
正しい鼻血の止血方法は?
上記のことを試しても、鼻血が出てしまうことはあるでしょう。そんなときはやや頭を下げた姿勢をとりましょう。そして、小鼻(両側の鼻先のふくらんだ部位)を強くつまめば、数分でキーゼルバッハ部位からの出血は止まります。
脱脂綿やティッシュペーパーを鼻につめて止血をする場合は、鼻の入り口にだけつめても効果はありません。脱脂綿やティッシュペーパーを鼻の奥に押しこみ、キーゼルバッハ部位をしっかりと圧迫します。
また、「上を向く」「横になる」という民間療法がありますが、鼻血が口に逆流してくるだけで意味がありません。「首筋をトントン叩く」というのも特に効果がないと判明しています。
突然大量の鼻血が出た場合、なかなか鼻血が止まらない場合などには、たかが鼻血と考えずに、速やかに病院に行きましょう。耳鼻咽喉科を受診すれば間違いありません。
最後に
いかがでしたか?いつも朝に鼻血が出る原因と対処方法をご紹介してきました。
「鼻の穴付近にあるキーゼルバッハ部位の粘膜が弱くなることで、些細な衝撃でも鼻血が出ている」というのがほとんどのケースです。特定の条件が重なることで、たまたまいつも朝に鼻血が出ていると考えられるでしょう。
ただ重大な病気のサインとして鼻血が出ている可能性も否定できません。特にいきなり鼻血がよく出るようになったら要注意です。遠慮せずに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
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