突き指は頻繁に起きるケガのひとつです。学生時代に体育や部活動などで突き指してしまったことのある方もきっといらっしゃいますよね。
さて、そんな突き指の治療によく使われるのが湿布です。では突き指の治療法として湿布は効果があるのでしょうか?
そもそも突き指とは?
そもそも突き指とは、スポーツなどをしているときに指先に外力がかかることで起きるケガの総称です。内出血を起こすことで指の関節などが腫れるなどの症状が出ます。つまり、指が腫れるのは関節に血が溜まっているからですね
突き指は単なる俗称なので、正確な医学用語ではありません。そして、突き指といっても実際にはさまざまな外傷が含まれます。単なる打撲や捻挫などの軽傷のケースが多いですが、脱臼や靭帯損傷、軟骨損傷、腱損傷、骨折などの重傷のケースもあります。
突き指に湿布は効果があるの?
では突き指の治療法として湿布は効果があるのでしょうか?
まず突き指の応急処置としては湿布は意味がありません。確かに突き指の応急処置ではしっかりと患部を冷却することが大切です。ただ冷湿布を貼ったときのスーッとする感覚はメントールという成分によるもので、実際には患部を冷やしているわけではないからです。
また、湿布を貼ったとしても突き指が治りやすくなるわけではありません。特に突き指が完治するまでの期間は変わらないでしょう。
ただ湿布には鎮痛作用のある成分が含まれているものもあります。そうした湿布を患部に貼ることで、突き指の痛みを緩和させる効果は期待できます。
正しい突き指の応急処置とは?
突き指の応急処置に湿布は向いていませんでした。では実際に突き指をしたらどのように応急処置をしたらよいのでしょうか?
もし運動をしているときなどに突き指をしてしまった場合には、まずスポーツ障害の応急処置の基本である「RICE処置(ライスしょち)」を適切に行っていくことが大切です。RICE処置とは下記の4つの原則の頭文字をとったものです。
①Rest(安静にする)
②Ice(冷却する)
③Compression(固定する)
④Elevation(挙上する)
Rest(安静にする)
もし運動をしているときなどに突き指をしてしまったら、まずは安静にしましょう。無理に運動を続けたりすると、内出血や炎症が悪化してしまいます。また、患部を無闇にさわらないようにします。
Ice(冷却する)
突き指の応急処置の最重要項目が冷却(アイシング)です。突き指した部位をすぐに冷却することで、内出血を最小限に抑えることができます。もし突き指をしたらできるだけ早急に患部を冷却(アイシング)するようにしましょう。
具体的にはキンキンに冷えた氷水の入ったバケツを用意します。そして、そこに約10~15分ほど手を入れるのがよいです。また、氷をたっぷりと入れたビニール袋(2重・3重にするとよい)などで患部を冷やすのでもOKです。また、前述の通り、湿布では十分な冷却効果は得られません。
Compression(固定する)
包帯やテーピングで指を固定することで、靭帯などの修復を早めます。昔は指を引っ張るという民間療法もありましたが、実は逆効果です。絶対にやらないようしましょう。テーピングは以下の動画を参考にしてみてくださいね。
Elevation(挙上する)
心臓の位置より下に患部をもっていくと、内出血が助長されてしまうため、指の関節の腫れが悪化してしまいます。突き指をしたほうの腕を心臓より高い位置にもっていきましょう。これは就寝時にも行うと突き指が治りやすくなるので、ぜひ意識してみてください。
最後に
いかがでしたか?突き指の治療法として湿布は効果があるのかについて解説してきました。湿布には突き指の痛みを和らげる効果はありますが、突き指の応急処置などには向いていません。もしスポーツなどをしているときに突き指をしてしまったら、正しい応急処置をできるようにしたいですね。
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