「リネンシャツの洗濯はどうしたらいいんだろう…」
あなたはこんな悩みを抱えていませんか?リネンシャツは春夏に大活躍しますが、いざ洗濯するときにどうしたらいいのかがわからなかったりするものですよね。
ここではリネンシャツの適切な洗濯方法をご紹介します。また、リネンシャツのお手入れの仕方に関する疑問にも回答しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
リネンとは?
リネンシャツの適切な洗濯方法を考える前に、ちょっとだけリネンという素材について理解を深めておきましょう。リネンシャツのお手入れの仕方を考えるヒントになるかもしれません。あまり興味がない方は読み飛ばしてくださいね。
「リネン」とは亜麻という植物の繊維を原料につくられる素材のことで、春夏用の洋服やシーツ・テーブルクロス・ハンカチなどによく使用されます。エジプトでは紀元前5000年ごろにはリネンの洋服がつくられていた記録があることから、リネンは世界最古の洋服繊維とも言われています。
また、「麻」と「リネン」は同じものだと思われがちですが、実は厳密には異なります。一般的に「麻」は植物の繊維を原料につくられる素材の総称のこと。つまり、「麻」には「リネン(亜麻)」も含まれていますが、他にも「ラミー(苧麻)」「ヘンプ(大麻)」「ジュート(黄麻)」など別の種類のものがあるのです。
ただ日本で流通している洋服に「麻」と表記されている場合には、ほとんどが「リネン(亜麻)」を使っています。
洋服の素材として使用するときのリネンの長所・短所は以下の通りです。
リネンの長所
- 頑丈で長持ちする
- 水分の吸収・発散性に優れている
- 通気性が良い
- 洗濯で汚れが落ちやすい
- カビ・雑菌の繁殖を抑制する
リネンの短所
- 洗濯で縮みやすい
- シワがつきやすい
- 摩擦で毛羽立ちやすい
リネンシャツの適切な洗濯方法とは?
洗う
一般的なリネンシャツは洗濯機にかけることができます。ここではリネンシャツを洗濯機にかける前提で手順をご紹介していきます。
まずリネンシャツを洗濯機にかける場合には、必ず洗濯ネットに入れましょう。他のお洋服との摩擦を軽減するためです。洗濯ネットはDAISOなどの100円ショップに売られているもので十分です。
ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、リネンシャツを洗濯ネットに入れる前に、「①すべてボタンを留める」→「②裏返す」→「③たたむ」というステップを踏んでおきましょう。そうすれば、さらにリネンシャツへのダメージを抑えられます。
あとはリネンシャツを普通に洗濯機にかけるだけです。このとき、洗濯機のソフトコース(手洗いコース)などを使うとよいです。
リネンシャツの洗濯をするときには、花王のエマールなどのおしゃれ着用中性洗剤を使うのがおすすめです。蛍光剤や漂白剤の使用は控えましょう。リネンシャツが色あせたようになってしまう可能性があります。
また、リネンシャツをパリッとした仕上がりにしたい場合には、最後のすすぎで洗濯のりを使うとよいです。特にリネンシャツにはPVA(ポリビニルアルコール)という成分の洗濯のりがおすすめです。
乾かす
リネンは非常にシワがつきやすい素材です。そのため、リネンシャツを洗濯後に普通に乾かすとシワシワになってしまいます…。しかもリネンシャツのシワはアイロンでもなかなか伸ばすのが大変です。
ではどうしたらいいのか?リネンシャツにできるだけシワを残さずに乾かすには「ドリップドライ(濡れ干し)」というテクニックが非常に有効です。リネンシャツにアイロンをかける手間を省きたい方はぜひ試してみてください。
まずリネンシャツを洗濯した後は一切脱水をしないようにしましょう。そして、リネンシャツのシワを丁寧に伸ばしたら、水滴がボトボトの滴る状態でハンガーに吊るしておきます。
そうすると、リネンシャツが自重に引っ張られながら乾いていくので、ほとんどシワが残りません。リネンシャツがアイロンをかけずに十分着用できるレベルになります。もしアイロンをかけるにしても、非常に楽になります。
「それではリネンシャツが全然乾かないのではないか?」と疑問に思うかもしれません。しかし、リネンシャツは非常に乾きやすいので、夏場であればおおよそ3~4時間で完全に乾きます。朝に洗濯をしたら昼には乾いているイメージですね。
もちろん、リネンシャツをドリップドライするときには、お風呂場などの水滴が落ちてもよいところを利用しましょう。おおよそ20~30分でほとんど水滴が滴らなくなるので、その後は別のところに移動してもよいです。リネンシャツは長時間直射日光にあてると色あせてしまうことがあるので、日陰に干してください。
アイロンをかける
上記のテクニックを使えば、リネンシャツはアイロンをかけなくても十分に着用できるレベルになります。ただリネンシャツのシワをもっと丁寧に伸ばしたい場合には、サッとアイロンをかけるとよいでしょう。リネンシャツがフォーマルシーンでも対応できるパリッとした印象に仕上がります。
ただリネンシャツが完全に乾いた状態でアイロンをかけても、ほとんどシワは伸びません。そのため、リネンシャツにアイロンをかける場合には、まずたっぷりと水分を含ませましょう。アイロンのスチームくらいではあまり効果がないので、霧吹きなどでたっぷりと濡らしてください。
あとは普通にリネンシャツにアイロンをかけていきす。アイロンは中温~高温に設定するのがおすすめです。ゆっくりと一定の方向にアイロンを動かしていくのがリネンシャツのシワを伸ばすコツです。
また、リネンシャツに直接アイロンをあてると、テカってしまうことがあります。リネンシャツをテカらせたくない場合には、適当なハンカチなどをあてるようにしましょう。
リネンシャツを長持ちさせるお手入れの仕方Q&A
リネンシャツは洗濯で縮んでしまうの?
できれば洋服は新品の時と同じサイズ感で着たいものですよね。ではリネンシャツは洗濯すると縮んでしまうのでしょうか?
リネンは非常に縮みやすい素材で、日常的な洗濯などでおおよそ5%くらい縮むのが目安になります。たとえば、もともとのリネンシャツの着丈が70cmだとすると、おおよそ3.5cmくらい縮む計算ですね。
リネンシャツが洗濯などで縮んだとしても、普通に着用しているうちにちょっとはもともとのサイズ感に戻っていきます。ただそれでもリネンシャツを購入するときには、普段よりもちょっとサイズに余裕を持たせておいたほうがよいでしょう。
リネンシャツは洗濯で色落ちするの?
ブラック、ブラウン、ブルー、グリーン、レッドなどなど…。リネンシャツには濃色を使ったものもたくさんあります。ではリネンシャツを洗濯すると色落ちしてしまうのでしょうか?
確かにリネンシャツは洗濯で色落ちしやすいです。ただリネンシャツは色落ちを含めて自然な変化を楽しむ洋服でもありますから、あまり色落ちに過敏になる必要はないかと思います。リネンシャツをできるだけ色落ちさせたくない方は、前述のように洗濯前に必ずネットに入れましょう。それだけでリネンシャツの色落ちをだいぶ抑えられます。
ただリネンシャツを洗濯するときには、他の洋服への色移りに注意しましょう。濃色のリネンシャツは最初の2~3回は単体で洗濯したほうが安心です。何回か洗濯を繰り返していると、ほとんど色落ちしなくなってくるため、その後は他の洋服と一緒に洗濯しても問題ありません。どうしても心配な方は淡色の洋服との洗濯を避けるとよいでしょう。
リネンシャツを乾燥機にかけてもよいの?
洋服を乾かす時間を短縮するために、普段から乾燥機を使っている方もたくさんいらっしゃるでしょう。ではリネンシャツを乾燥機にかけてもよいのでしょうか?
リネンシャツを乾燥機(タンブラー)にかけるのは基本的にNGです。ほとんどのリネンシャツには洗濯表示に乾燥機(タンブラー)禁止のマークがついているはずです。
もしリネンシャツを乾燥機にかけると、おそらくご自身が想像している以上に縮みます。最悪ご自身では着れなくなってしまうかもしれません。また、リネンシャツが毛羽立ってしまったり、襟や袖がよれてしまうこともあります。リネンシャツにできるだけダメージを与えたくない方は、乾燥機は避けたほうがよいでしょう。
リネンシャツの襟や袖の皮脂汚れを落とすには?
洋服はずっと使っていると襟や袖の皮脂汚れが落ちづらくなってきますよね。特にリネンシャツを着るのは春夏ですから、襟や袖の皮脂汚れが発生しやすくなります。ではリネンシャツの襟や袖の皮脂汚れを落とすにはどうしたらよいのでしょうか?
リネンシャツの襟や袖の皮脂汚れが目立つ場合には、実は女性が化粧を落とすときに使う「クレンジングオイル」が効果的です。というのも、クレンジングオイルには人間から出た皮脂が酸化したもの(これが洋服の襟や袖の皮脂汚れになります)を分解する作用を持っているからです。
まずは適当なタオルやハンカチなどにクレンジングオイルをつけます。そして、リネンシャツの襟や袖から皮脂汚れを押し出すイメージで何回か叩いてあげましょう。あとはリネンシャツを通常通り洗濯するだけです。そうすれば、リネンシャツの襟や袖の皮脂汚れがすっきりと落ちているはずです。
男性はクレンジングオイルを普通持っていないかと思いますが、クレンジングオイルはドラッグストアなどでおおよそ300~500円くらいで購入できます。どうしてもリネンシャツの襟や袖の皮脂汚れを何とかしたい場合にはぜひ試してみてください。
最後に
いかがでしたか?リネンシャツの適切な洗濯方法などをご紹介してきました。リネンシャツは普段の洗濯やお手入れの仕方をちょっと工夫するだけで非常に長持ちしますので、ぜひ大事に使ってあげてくださいね。
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