リネンシャツをファッションアイテムとして愛用している方も、きっとたくさんいらっしゃいますよね。リネンシャツを着ると手軽に清涼感を演出することができます。
ただファッションでは季節感も大切です。リネンシャツを着る最適な時期はいつくらいなのでしょうか?
リネンとは?
リネンシャツの最適な時期はいつくらいなのかを考える前に、ちょっとだけリネンという素材について理解を深めておきましょう。何かのヒントになるかもしれません。あまり興味がない方は読み飛ばしてくださいね。
「リネン」とは亜麻という植物の繊維を原料につくられる素材のことで、春夏用の洋服やシーツ・テーブルクロス・ハンカチなどによく使用されます。エジプトでは紀元前5000年ごろにはリネンの洋服がつくられていた記録があることから、リネンは世界最古の洋服繊維とも言われています。
また、「麻」と「リネン」は同じものだと思われがちですが、実は厳密には異なります。一般的に「麻」は植物の繊維を原料につくられる素材の総称のこと。つまり、「麻」には「リネン(亜麻)」も含まれていますが、他にも「ラミー(苧麻)」「ヘンプ(大麻)」「ジュート(黄麻)」など別の種類のものがあるのです。
ただ日本で流通している洋服に「麻」と表記されている場合には、ほとんどが「リネン(亜麻)」を使っています。
洋服の素材として使用するときのリネンの長所・短所は以下の通りです。
リネンの長所
- 頑丈で長持ちする
- 水分の吸収・発散性に優れている
- 通気性が良い
- 洗濯で汚れが落ちやすい
- カビ・雑菌の繁殖を抑制する
リネンの短所
- 洗濯で縮みやすい
- シワがつきやすい
- 摩擦で毛羽立ちやすい
リネンシャツの最適な時期はいつくらいなのか?
一般的にリネンシャツが活躍する主な時期は春夏です。リネン素材は非常に通気性が高い上にスピーディに汗を吸収・発散してくれるので、日本の高温多湿な春夏に適しているのです。
それぞれのアイテムやコーディネートにも影響されますが、具体的にリネンシャツをいつからいつまで着れるかというと、おおよそ4月上旬ごろから9月下旬ごろまでが目安になります(東京の気候を基準にしています)。インターネット上の口コミを調べてみても、おおよそこのくらいを目安にしているという方がほとんどでした。
3月下旬以前はまだまだ朝晩を通して肌寒いです。また、10月上旬以後もだんだん肌寒い気候が増えてきます。いずれもリネンシャツを着ていると「ちょっと寒々しい…」という印象を与えてしまいやすいでしょう。もちろん、3月下旬以前や10月上旬以後にも気温が上昇することはありますが、暦的に季節感がない印象になってしまいがちです。
リネンシャツを秋冬に着るのは変なのか?
ここまでリネンシャツが活躍する主な時期は春夏だというお話をしてきました。ではリネンシャツを秋冬に着るのは変なのでしょうか?
実はリネン素材は空気を含みやすいので、それなりに保温性もあります。そのため、リネンシャツの機能面だけを考えれば、コーディネート次第で十分に秋冬でも着用できます。特にリネンシャツでも厚手でコットンやウールなどが混紡されているようなものは、デザイナーさんが最初から秋冬にも活用できるようにつくっている可能性が高いでしょう。
また、実際に飲食店や電車などで他人のファッションをよく観察してみると、リネンシャツを秋冬に着ている方もそれなりにいらっしゃいます。したがって、一概にリネンシャツを秋冬に着るのが変だとは言い切れません。
ただし、何となくリネンシャツを秋冬に着るのはファッション的に危険です。たとえば、ビュービューと木枯らしが吹きつけるようなときに、リネンシャツからインナーが透けるような服装をしていると、非常に寒々しい印象を与えてしまいます。ファッションでは見た目の季節感も大切ですから、オシャレには見えづらくなってしまうでしょう。
リネンシャツを秋冬に着るためには、他のお洋服との組み合わせなどもしっかりと考える必要があります。リネンシャツをクルーネックニットのインナーなどに使うのは、誰でも手軽にやりやすいかもしれません。リネンシャツを秋冬に上手にコーディネートできる自信があまりない方は、無理にチャレンジしないほうがよいでしょう。
最後に
いかがでしたか?リネンシャツの最適な時期はいつくらいなのかについて考えてきました。一般的にリネンシャツが活躍する主な時期は春夏でした。しかし、他のお洋服との組み合わせを工夫すれば、リネンシャツは十分に秋冬も活用できます。そのため、一概にリネンシャツを秋冬に着るのが変だとは言い切れません。
ご自身が持っているリネンシャツのデザインなども考慮した上で、いつ着用するのかを判断してみてくださいね。
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