洋服や靴の素材表記を見ていると、「シンセティックレザー」と書かれていることがあります。「シンセティックレザーって何だろう?」と疑問に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか?ここではシンセティックレザーとは何かについて解説していきます。
シンセティックレザーとは?
「シンセティック(synthic)」は「合成の~」や「人工的な~」という意味を持つ英語(形容詞)です。また、「レザー(leather)」はご存知の通り、「皮革」という意味を持つ英語(名詞)です。
したがって、「シンセティックレザー(syntetic leather)」は「合成皮革」または「人工皮革」という意味になります。牛・豚・羊などの動物の皮革に似せるために化学的につくられた素材です。
「合成皮革」と「人工皮革」は同じものなの?
前述の通り、「シンセティックレザー」には「合成皮革」と「人工皮革」という2つの意味がありましたね。では「合成皮革」と「人工皮革」は同じものなのでしょうか?
どちらも天然皮革に似せるために化学的につくられた素材なので、非常に混同されやすいのですが、実は「合成皮革」と「人工皮革」は厳密には別のものです。
「合成皮革」と「人工皮革」は表面をポリウレタンなどの樹脂層でコーティングしているのは同じです。そして、どちらも天然皮革に見えるようにシワなどのデザイン加工を施します。そのため、「合成皮革」と「人工皮革」の表面を見ただけではなかなか区別がつきません。
しかし、「合成皮革」と「人工皮革」は裏面(裏基布)が違います。
「合成皮革」はポリエステルやナイロンなどの織布・編布を基布にしていますが、一方で「人工皮革」はポリエステルやナイロンのマイクロファイバーを立体的に絡み合わせた不織布を基布にしています。
合成皮革
天然皮革に似せるために化学的につくられた素材で、ポリエステルやナイロンなどの織布・編布を基布の上に、ポリウレタンなどの樹脂層をコーティングしています。
人工皮革と比べると、合成皮革は安価で大量生産にも向いています。ただ合成皮革は表面だけを天然皮革に見えるようにコーティングしているだけなので、摩擦に弱いのが弱点です。たとえば、合成皮革のビジネスバッグだと持ち手の部分などが摩擦で剥げていきやすいです。
人工皮革
天然皮革に似せるために化学的につくられた素材で、ポリエステルやナイロンのマイクロファイバーを立体的に絡み合わせた不織布を基布の上に、ポリウレタンなどの樹脂層をコーティングしています。
合成皮革と比べると、人工皮革はやや高価になります。ただ人工皮革は構造も天然皮革に似せているため、それなりに耐久性が高いです。
まとめ
「シンセティックレザー」には「合成皮革」と「人工皮革」という2つの意味がありました。そして、「合成皮革」と「人工皮革」は混同されやすいですが、実は厳密には違うものでした。
「合成皮革」と「人工皮革」を日常生活で区別する必要性はあまりないでしょう。しかし、「合成皮革」と「人工皮革」は何が違うのかを知っていると、洋服・靴・カバンなどを買うときにちょっとした判断材料になるかもしれません。
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